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  古典の群読脚本集           0857
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    文化 群読         
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 ●目次●             索引へ戻る
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
   戦記
   歌謡
   随筆
   漢詩
   俳句
   論語
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


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 ◆戦記物語の群読◆
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 ★平家物語 巻の十一より「那須の与一」★
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      61
      72 方     
     83 家      
     94 平        
     105       
     41 手     
    52 り       
    63 語          ―→ 観客
    与一         
    義経
     後藤  
     61        
     72 方    
     83 氏
     94 源    
       105

 <読み手>
  語り手 客観的状況を表現する/1〜6まで6人。*
    *なお、語り手はそれぞれの専門をもつ。
    たとえば、4は与一にかかわる文を読むというように。
  源氏方
   与一  与一を表現する。
   義経  義経を表現する。
   後藤  後藤兵衞を表現する。
   源氏方を表現する/1〜10までの10人。
  平家方
   平家方を表現する/1〜10までの10人。


 <演出ノート>
 1 なるべく大勢の生徒が参加できるようにしてあるが、人数の関係で、源氏・平家方
  の数を減らしてもよい。
 2 語り手の声の質をほぼ同じにすると、流れがよく聞こえる。
 3 重々しく、リズムをくずさずに読みすすめる。
 4 とくに、固有名詞・数詞は荘重に読むようにする。少し気取って重々しく読む。
 5 また、係り結びは、ことさら強く読む。たとえば、「陸へ向いてぞ招きける」の場
  合、「ぞ」「ける」に強いアクセントをつけて読む。
 6 長文なので、視聴覚的な補助手段をあわせて用いるとよいだろう。
  a 効果である。波の音、鏑矢の音などは不必要だが、冒頭、ほらがいの音くらいは
   あってもいいだろう。
    また、音楽を参加させてもよい。邦楽の琵琶の音色は情景を盛り上げるだろう。
  b 視覚的な表現である。平家は「赤」、源氏は「白」がシンボル・カラーなので、
   源平 のグループごとに服装の一部を赤・白でそろえるといいだろう。平家方は首
   に赤いスカーフをまくというような。
   あるいは、源氏・平家の読み手のうしろに、当時の「白旗」「赤旗」を掲げておく。
<記号/凡例参照>
  + <漸増>


 語り手全員  平家物語 巻の十一より「那須の与一」

 効果  ほらがいの音

 語り手 1  さるほどに、
 語り手 2  阿波・
 +語り手3  讃岐に、
 +語り手6  平家にそむいて源氏を待ちけるつわものども、
  源氏 1  あそこの峰、
 +源氏 2  ここの洞より、
 +源氏 3  十四、五騎、
 +源氏 4  二十騎、
 +源氏 5  打ち連れ
 +源氏 6  打ち連れ
 +源氏 7  馳せくるほどに、
 +源氏 8  判官(ほうがん)ほどなく
 +源氏 9  三百余騎にぞ
 +源氏 10  なりにける。
 語り手 3  「今日は日暮れぬ。勝負を決すべからず」とて引き退くところに、
 平家  1  沖の方(かた)より尋常に飾ったる小舟一艘、
 平家  2  汀(なぎさ)に向かいて漕ぎ寄せけり。
 平家  3  渚より七、八段ばかりになりしかば、
 平家  4  舟を横様(よこざま)になす。
 源氏方    「あれはいかに」と見るところに、
 平家  5  舟のうちより年の齢(よわい)十八、九ばかりなる女房の、
 +平家 6  まことに美しきが、
 +平家 7  柳の五つ衣(ころも)に、紅(くれない)の袴着て、
 +平家 8  皆紅(みなくれない)の扇の日出だしたるを、
 平家  9  舟のせがいにはさみ立て、
 +平家 10  陸(くが)へ向いてぞ招きける。
 語り手 6  判官、後藤兵衞実基(ごとうひょうえさねもと)を召し、
 判官     「あれは、いかに」と宣(のたま)えば、
 後藤     「射よとにこそ候うめれ。ただし、大将軍が矢面(やおもて)にすすん
        で、傾城(けいせい)を御覧ぜられんところを、手だれにねろうて射落
        とせとのはかりごとと覚え候。さは候えども、扇をば射させらるびょう
        や候うらん」
 判官     「味方に射つべき仁(じん)は誰かある」
 後藤     「上手ども多う候うなかに、下野(しもつけ)の国の住人、那須太郎資
        高(すけたか)が子に与一宗高(むねたか)こそ小兵で候えども、手き
        きにて候」
 判官     「証拠はいかに」
 後藤     「かけ鳥など争うて、三つに二つはかならず射落とし候」
 判官     「さらば召せ」
 語り手 4  与一そのころ二十ばかりの男の子なり。
 +語り手5  褐(かち)に赤地の錦をもって大領(おおくび)はた袖色へたる直垂 
       (ひたたれに)に、萌黄(もよぎ)おどしの鎧着て、足白の太刀をはき、
       二十四さいたる切斑(きりう)の矢を負い、薄切斑に、鷹の羽わりあわせ
       てはいだりける、ぬための鏑(かぶら)をぞさしそえたる。滋籐(しげど
       う)の弓、脇にはさみ、甲(かぶと)をば脱いで高紐(たかひも)にかけ、
       判官の御前にかしこまる。
 判官    「いかに宗高、あの扇の真ん中射て、平家に見物させよかし」
 与一     仕ろうとは存じ候わず。これを射損じ候うほどなれば、長き味方の弓 
       矢のおん傷にて候。一定(いちじょう)つかまつらんづる仁に仰せ付ける
       びょうや候うらん」
 語り手 6  判官、大いに怒って、
 判官    「鎌倉を立って西国へおもむかん人々は、義経が命にそむくべからず。少
       しも子細をぞんぜん人々は、これよりとうとう鎌倉へ帰らるべし」
 語り手 4  与一重ねで辞せば悪しかりなんとや思いけん。
 与一    「御定(ごじょう)で候えば、はずれんをば知り候わず。仕(つかまつ)
       ってこそみ候わめ」
 語り手 5  与一、御前をまかりたち、黒き馬の太うたくましききに、小房のしりが
        いつけ、まろほやすったる金覆輪の鞍置いてぞ乗ったりける。弓取り直
        し、手綱かいくり、汀へ向いてぞ歩ませける。
 源氏1〜5  味方のつわものども、与一が後ろをはるかに見送って
 源氏  6  「一定、この若者、仕らんと覚え候」と申しければ、
 語り手 6  判官も頼もしげにとぞ見給いける。
 語り手 4  矢ごろ少し遠かりければ、海のなか一段(いったん)ばかりうち入れた
        りけれど、なお扇とのあわいは七段ばかりもあるらんとこそ見えたりけ
        れ。
 語り手 1  ころは二月(にんがつ)十八日、酉(とり)の刻ばかんのことなれば、
 +語り手2  折節(おりふし)北風激しうて、磯打つ波も高かりけり。
 語り手 3  舟は揺り上げ、揺りすえ漂えば、扇も串に定まらず、ひらめいたり。
 平家方    沖には平家、舟を一面に並べて見物す。
 源氏方    陸には源氏くつばみを並べてこれをみる。
 +平家方   いづれもいづれも晴れならずということなし。
 語り手 4  与一、目をふさぎ、心の内に、
 与一    「南無八幡大菩薩、別しては我が国の神明(しんみょう)、日光の権現、
        宇都宮、那須の温泉大明神(ゆぜんだいみょうじん)。願わくはあの扇
        の真ん中射させてたばせ給え。これを射損ずるものならば、弓切り折り
        自害して、に再び面(おもて)をむこうべからず。今一度、本国へ帰さ
        んと思し召(おぼしめ)さば、この矢、はずさせ給うな」
 語り手 4  心のうちに祈念して、目を見開いたれば、風も少し吹き弱って、扇も射
        よげにこそなったりけれ。
 語り手 5  与一、鏑をとって番(つが)い、よっ引いてひょうど放つ。小兵という
        じょう十二束(そく)三伏(ぶせ)、弓は強し。
 語り手 1  鏑は浦響くほど長鳴りして、過(あやま)たず、扇の要(かなめ)ぎわ
        一寸ばかり置いて、ひいふっとぞ射切ったる。
 源氏・平家方 ひいふっとぞ射切ったる。
 語り手 1  鏑は海に入りければ、
 語り手 2  扇は空へぞ上がりける。
 語り手 3  しばし、虚空(こくう)にひらめきけるが、
 語り手 4  春風に、
 語り手 5  一もみ二もみもまれて、
 語り手 6  海へさっとぞ散ったりける。
 語り手全員  鏑は海に入りければ、扇は空へぞ上がりける。しばし虚空にひらめきけ
        るが、春風に、一もみ二もみもまれて、海へさっとぞ散ったりける。
 語り手 1  夕日(せきじつ)の輝いたるに、皆紅の扇の日出だしたるが、白波の上
        に漂い、
 語り手 2  浮きぬ
 語り手 3  沈みぬ
 語り手 6  揺られけるを、
 平家方    沖には平家、ふなばたをたたいて感じたり。
 源氏方    陸(くが)には源氏、えびらをたたいてどよめきけり。



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 ★平家物語 十一の巻より 壇ノ浦の合戦★
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<読み手> ナレーター 4名。N1、N2、N3、N4。
      源氏方 6名以上。
      平家方 6名以上
    なお 源平の読み手をこみにして、6つのパートをつくる。源氏方1名と平家方
    1名の計2名でペアをつくり、Aパートと呼ぶというように。こうしてABCD
    EFの6つのパートにわけておく。
<注> ▽印は同時に読む。


  鐘の音

 N 2 祇園精舎の鐘の声、諸行無情の響きあり。
   3 娑羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす。
    ▽奢れる者は久しからず。ただ春の世の夢のごとし。
   4▽     奢れる者は久しからず。ただ春の世の夢のごとし。

   1  平家物語 巻の十一より 壇の浦の合戦

  ほら貝の音

 N 1 時こそ来れ、元暦二年春三月、
   2 門司・
  +3 赤間・
  +4 壇の浦に、
 源氏方 源氏の船は三千余艘、
 平家方 平家の船は千余艘、
 源氏方 源氏の勢は数を増し、
 平家方 平家の勢は落ぞ行く。
 源平  二十四日の卯の刻に源平矢合せとぞ定めける。
     すでに、源平双方、陣を合せてときをつくる。
 ABC 上は梵天までも聞え、
 DEF 下は竜神も
 源平  驚くらんとぞ覚えける。

  ほら貝の音

 源平 そののち双方、たがいに命を惜しまず、
 A  さしつめ引きつめ、
 +B 駆け出で駆け出で、
 +C 追いつ追われつ、
 +D 進み退き、
 +E 組んず組まれつ、
 +F 討ちつ討たれつ、
 *A▽さしつめ引きつめ、(以下、5回くりかえす)
  B▽駆け出で駆け出で、(以下、5回くりかえす)
  C▽追いつ追われつ、(以下、5回くりかえす)
  D▽進み退き、(以下、5回くりかえす)
  E▽組んず組まれつ、(以下、5回くりかえす)
  E▽討ちつ討たれつ、(以下、5回くりかえす)
 源平 いずれ劣れりとも見えざりけり。

  ほら貝の音 遠のく

 A 海上には赤旗赤じるし、
 B なげ棄てかなぐり棄てたりければ、
 C あわれ無情の春の風、
 D 龍田の川のもみじ葉を、
 E 嵐の吹き散らしたるがごとし。
 F  みぎわに寄する白波も、
 A  薄くれないにぞ染まりける。
 B  今は主なき戦船、
 C  潮に引かれ、
 D  風に従って、
 E  いずくともなく、漂い行くこそ悲しけれ。
 F  漂い行くこそ悲しけれ。
 N1 ころは三月二十四日のことなれば、
    海路遥かにかすみわたる。
  2 ただ大方の春だにも、
    暮れ行く空はものうきに、
  3 いわんや、今日を限りのことなれば、
  4 哀れをもよおすばかりなり。
 N全 ころは三月二十四日のことなれば、海路遥かにかすみわたる。ただ大方の春だに
    も、暮れ行く空はものうきに、いわんや今日を限りのことなれば、哀れをもよお
    すばかりなり。


 *のところは、次のように読んでもいいだろう。

 <読み方> ABCDEFは同時平行して読む。戦闘場面をあらわす読み方である。

A さしつめ引きつめ、駆け出で駆け出で、追いつ追われつ、進み退き、組んず組まれつ、
 討ちつ討たれつ、
B 駆け出で駆け出で、追いつ追われつ、進み退き、組んず組まれつ、討ちつ討たれつ、
 さしつめ引きつめ、
C 追いつ追われつ、進み退き、組んず組まれつ、討ちつ討たれつ、さしつめ引きつめ、
 駆け出で駆け出で、
D 進み退き、組んず組まれつ、討ちつ討たれつ、さしつめ引きつめ、駆け出で駆け出で、
 追いつ追われつ、
E 組んず組まれつ、討ちつ討たれつ、さしつめ引きつめ、駆け出で駆け出で、追いつ追
 われつ、進み退き、
F 討ちつ討たれつ、さしつめ引きつめ、駆け出で駆け出で、追いつ追われつ、進み退き、
 組んず組まれつ、


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 ★衣笠の合戦 源平盛衰記より★
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この衣笠城は勤務学校からすぐ近くにあり、この群読は授業や行事でよく取り上げまし
た。わたしの勤務学校の近くで、毎日、この山を見て子もたちは育ちました。

 <読みの分担>
  T=タイトルと結末を読む。2名
  H=平家の勢を表現する。 グループ
  M=三浦党を表現する。  グループ
  O=三浦大介を表現する。 ソロ 
  Y=三浦義澄を表現する。 ソロ

 T1 源平盛衰記 巻の二十二より 衣笠の合戦
 T2 ときは治承四年八月二十九日。
 H  平家の勢、つごう三千余騎、衣笠城を取り囲む。
 M  れを迎える三浦の勢、城主三浦大介義明を大将軍に、その子義澄・与一をはじめ
    として、和田・佐原・佐野・藤平・奴田党など、わずか四百五十三騎。
 O 衣笠城主三浦大介義明、今年七十九にありけれど「命を惜しむは人にあらず。いで
   いで駆け出で最後の戦さしてみせん」とぞ下知し給う。
 M されば、二十騎、三十騎、馬の鼻並べて駆け出でつつ、案内を知らぬ者どもを、 
   悪所悪所へ追い詰め討ちてんげり。
 MH そののち双方、たがいに命を惜しまず、さしつめ引きつめ、駆け出で駆け出で、
   追いつ追われつ、進み退き、組んず組まれつ、討ちつ討たれつ、いずれ劣れりとも
   見えざりけり。
 O 大介味方に向いて大音声にて叫びけるは「父死ぬれども子かえりみず、子討たるる
   とも親退かず。乗り越え乗り越え、敵に向かうことこそ坂東武者の習いなれ」
 MH しばし、敵も味方も暇なきさまに、今日を限りと戦いたれど、多勢に無勢、日も
   ようやく暮れければ、三浦氏、戦さに疲れ果て、弱々しくとぞ見えたりけり。
 O ここに大介、子孫郎党を呼びいえて「戦さはすべきほどにしつ。われもまた見るべ
   きことのほどを見つ。われをここに捨て、とくとく落ちて行け」と、直垂の袖をし
ぼりて言いたりけり。
 Y かくて義澄、泣く泣く主君源頼朝を尋ね奉りて、久里浜の岬より船に乗り、安房の
   方へぞ落ち行きけり。
 T2 ここに大介討たれ、衣笠城ついに落城せり。


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 ◆歌謡の群読◆
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 ★梁塵秘抄より★
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 @原文  舞へ舞へかたつぶり、舞はぬものならば、馬の子や牛の子に蹴ゑさせてん、
      踏み破らせてん、真に 愛しく舞うたらば、花の園まで遊ばせん。

<読み手> ソロ  12345の5人

   1  舞へ舞へかたつぶり、
   1  舞へ舞へかたつぶり、
   2    舞へ舞へかたつぶり、
   1  舞はぬものならば、
   2       ならば、舞はぬものならば
   3  馬の子や
   4  牛の子に
  +3  蹴ゑさせてん、
  +4  踏み破らせてん、
   5  真に 愛しく舞うたらば、
 +12  花の園まで遊ばせん。
  全員  遊ばせん。遊ばせん。遊ばせん。

<読み方> 透明な声で、ゆったりと節をつけて歌うように読む。


 A原文  居よ、居よ、蜻蛉よ、堅塩参らん、さて居たれ、働かで、
      すだれ篠の先に馬の尾より合はせて、
      掻いつけて、童、冠者ばらに繰らせて遊ばせん。

<読み手> ソロ  12345の5人

  1   居よ、居よ、蜻蛉よ、
 +2   堅塩参らん、
 +3   さて居たれ、
  4   働かでー、
  5   シーィッ(静かに)
     (間=トンボをつかまえた!)
 +5   すだれ篠の先に
 +4   馬の尾より合はせて、
 +3   掻いつけて、
 +2   童、冠者ばらに
 +1   繰らせて遊ばせん。繰らせて遊ばせん。

<読み方> 「働かでー」は「動かないでー」の意味なので、静かに読む。
       「すだれ篠の」以降、はずむように読む。


 B原文  いざれ独楽、鳥羽の城南寺の祭見に。我はまからじ恐ろしや、こり果てぬ。
      作り道や四つ塚に、あせる上り馬の多かるに。

<読み手>  ソロ      独楽
       アンサンブル  子どもたち数人

  子どもたち(アンサンブル)    独楽(ソロ)
 いざれ独楽、鳥羽の城南寺の祭見に
                  我はまからじ恐ろしや、こり果てぬ
 いざれ城南寺の祭見に
                  こり果てぬ こり果てぬ
                  作り道や四つ塚に、あせる上り馬の多かるに
 いざれ 祭見に いざれ 祭見に  こり果てぬ、恐ろしや
 祭に 祭に 祭に         こり果てぬ、恐ろしや
 祭に 祭に(小さく消える)    こり果てぬ、恐ろしや(くりかえしつつ消える)

<読み方> 子どもたちと独楽との対話。しつっこく誘われた独楽はますます萎縮する。


 C原文  茨小木の下にこそ、いたちが笛吹き猿舞で、掻い舞で、いなご麿賞で拍子つく。
      さて、きりぎりすは、鉦鼓のよき上手。

<読み手> ソロ      1、2、3、4、5の五人
      アンサンブル  囃し手(数人)

  1〜5  茨小木の下にこそ
  囃し手  ア、ヨイサ
  1〜5  いたちが笛吹き猿舞で
  囃し手  ハー
  1〜5  掻い舞で
  囃し手  ハー
  1〜5  いなご麿賞で拍子つく
  囃し手  ア、サテ、ア、サテ、サテサテサテサテ
  1    きりぎりすーは
   +2  きりぎりすーは
  2〜5  鉦鼓の鉦鼓のよき上手
  囃し手  ア、ヤンヤ、ア、ヤンヤ
  全員   鉦鼓の鉦鼓のよき上手
       ア、ヤンヤ、ア、ヤンヤ、ア、ヤンヤ、ヤンヤ、ヤンヤ

<読み方> 「いなご麿賞で拍子つく」は「いなご麿、賞で、拍子つく」と読む。
      音の出るものを叩くなど、鳴り物入りでにぎやかに読む。最後の「ア、ヤンヤ」は、
      手を打って囃たてる。


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 ◆随筆の群読◆
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 ★方丈記      鴨 長明★
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<読み手> A,B,C,D,Eの五人。
<演出ノート> 陰々滅々と読む。
<記号>▽×も同時に読む。

 A  ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
 B ▽ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
 C ▽    ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
 D ▽        ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
 A  よどみに浮かぶうたかたは、
 B  かつ消え、
 C  かつ結びて、
 BC 久しくとどまりたるためしなし。
 全  世の中にある人とすみかと、また、かくのごとし。
 B  たましきの都のうちに、
 C  棟を並べ、
 D  甍を争える、
 CD 高き卑しき人のすまいは、
 +E 世々を経て尽きせぬものなれど、
 A  これをまことかと尋ぬれば、
 BC 昔ありし家はまれなり。
 +D あるいは去年焼けて今年作れり。
 +E あるいは大家滅びて小家となる。
 BC 住む人も同じ。所もかわらず、人も多かれど、
 +D 古見し人は二,三十人が中に、わずかに一人二人なり。
 A  朝に死に、夕べに生まるるならい、ただ水の泡にぞ似たりける。
 全  ただ水の泡にぞ似たりける。
 BCDE 知らず。
 BCD  生まれ死ぬる人、
 CD いづかたより来たりて、
 D  いづかたへか去る。
 BCDE また、知らず。
 CDE  仮の宿り、
 DE 誰が為にか心を悩まし、
 E  何によりてか、目を喜ばしむる。
 A  その主とすみかと、無常を争うさま、いわば朝顔の露に異ならず。
 B ▽あるいは、露落ちて花残れり。
 C ▽     露落ちて花残れり。残るといえども、朝日に枯れぬ。
 D ×あるいは、花しぼみて露なお消えず。
 E ×     花しぼみて露なお消えず。消えずといえども、夕を待つことなし。
 全  久しくとどまりたるためしなし。
 A  世の中にある人とすみかと、また、かくのごとし。
 B ▽ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。(くりかえし消える)
 C ▽朝に死に、夕べに生まるるならい、ただ水の泡にぞ似たりける。(くりかえし消える)
 D ▽生まれ死ぬる人、いづかたより来たりて、いづかたへか去る。(くりかえし消える)
 E ▽主とすみかと、無常を争うさま、いわば朝露の露に異ならず。(くりかえし消える)
 A ▽朝に死に夕べに生まるるならい、ただ水の泡にぞ似たりける(くりかえしながら次の*へ)
 A *……水の泡にぞ似たりける。
 +BC 水の泡にぞ似たりける。
 全  水の泡にぞ似たりける。水の泡にぞ似たりける。水の泡にぞ似たりける…(消える)



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 ◆漢詩の群読◆
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 ★漢詩「春望」 杜甫★
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 <演出ノート>男女のふたり読みにし、対句を生かして読むようにした。

 12  春望   杜甫

 1 国都長安のまちはすっかり破壊され、あとには、昔ながらの山河が残っ
   た。城に春が来て草木は深くしげっている。
 2 この時勢を思うと花を見ても涙が流れ、別れを悲しんでは、鳥にも心が
   痛む。戦いは、三箇月続き、家族からの手紙は万金に値するほど貴重だ。
   白髪はかけばかくほど短くなり、冠をとめるピンがさせなくなりそうだ。

 12 國 破れて山河在り (くにやぶれて さんがあり)
    城春にして草木深し (しろはるにして そうもくふかし)
  1 時に感じては    (ときにかんじては
    花にも涙をそそぎ   はなにもなみだをそそぎ)
  2 別れを恨んでは   (わかれをうらんでは
    鳥にも心を驚かす   とりにもこころをおどろかす)
  1 烽火三月に連なり  (ほうか さんげつつらなり)
  2 家書 萬金にあたる (かしょ ばんきんにあたる)
  1 白頭掻けばさらに短く(はくとうかけば さらにみじかく)
  2 すべて簪にたえざらんとほっす(すべて しんにたえざらんとほっす)

 12 國破山河在 (中国語で読む 以下)
    城春草木深
  1 感時花濺涙
 12 恨別鳥驚心
  1 烽火連三月
 12 家書抵萬金
  1 白頭掻更短
 12 渾欲不勝簪

 引用 http://www2.ttcn.ne.jp/~hillmountain/kansipage.htm 


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 ★漢詩 桃夭(とうよう)    周 南★
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 漢詩は学習したあと、朗詠すると、いっそう理解が深まる。しかし、朗詠は節をつけて
吟ずるので、そうかんたんにはできない。そこで、朗誦するとよいだろう。朗誦は声高く
朗々と読むことである。朗読に比較して、音吐朗々と少しきどった読みになる。このとき、
群読で朗誦することを勧めたい。その一例である。
<読み手> ソロ  1、2、3、4
<演出ノート>
 桃夭(とうよう)は嫁ぎゆく娘を祝福する歌である。声高く、よく響くように明るく読
む。
 1連「桃之夭夭 灼灼其華 之子于歸 宜其室家」<桃の木は若く、その花は燃えたつ
ように輝いている。この娘がお嫁に行ったら、嫁ぎ先にふさわしい妻になるだろう>
 2連「桃之夭夭 有賁其實 之子于歸 宜其家室」<桃の木は若くその実はふっくらし
ている。この娘がお嫁に行ったら、嫁ぎ先にふさわしい妻になるだろう>
 3連「桃之夭夭 其葉蓁蓁 之子于歸 宜其家人」<桃の木は若く、その葉はふさふさ
と茂っている。この娘がお嫁に行ったら、家じゅうの人に喜ばれる妻になるだろう>


 1    桃の夭夭(ようよう)たる
 234  (小さくくりかえす)桃の夭夭たる
 2    灼灼(しゃくしゃく)たるその華(はな)
 134  (小さくくりかえす)灼灼たるその華
 3    この子 ここに帰(とつ)がば
 124  (小さくくりかえす)この子 ここに帰がば
 4    その室家(しつか)によろしからん
 123  (小さくくりかえす)その室家によろしからん

 1   ┌桃の夭夭たる
 2   └  夭夭たる 桃の夭夭たる
 3   ┌有賁(ゆうふん)たるその実
 4   └          その実(み)有賁たる
 1   ┌この子 ここに帰がば
 2   └    ここに帰がば この子
 1234 その家室によろしからん

 1    ┌桃の夭夭たる
 2    └  夭夭たる 桃 夭夭たる
 3    ┌その葉 蓁蓁(しんしん)たり その葉 蓁蓁たり
 4    └    蓁蓁たり その葉 蓁蓁たり
 1    ┌この子 ここに帰がば
 2    │    ここに帰がば この子
 3    │           この子 ここに帰がば
 4    │               ここに帰がば この子
 1    └                      この子 ここに帰がば
 2    その家人によろしからん
 23   よろしからん
 234  よろしからん
 1    この子 ここに帰がば
 1234 その家人によろしからん



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 ◆俳句の群読◆
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 俳句は群読できるだろうか。句によってはできる。
 たとえば、与謝野蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」この俳句は、ふたり
読みできる。
  12 菜の花や
   1 月は東に
   2 日は西に
 中と下の句が対になっているから、それを生かして二人読みにした。
 また、山口素堂の「目には青葉山ほととぎす初鰹」は、上中下句が対等の関
係になっているので、3人で読むことができる。 
 
  1 目には青葉
  2 山ほととぎす
  3 初鰹 
 
 したがって、群読にできる俳句とできない俳句がある。できない俳句は無理
なく、そのまま一人で読めばいいだろう。

 俳句の群読は、最初に作者明を読み、ついで、斉読し、次に群読する。
 
    3 与謝野蕪村
      菜の花や月は東に日は西に
  1〜3 菜の花や
    1 月は東に
    2 日は西に
  1〜3 山口素堂
      目には青葉山ほととぎす初鰹
    1 目には青葉
    2 山ほととぎす
    3 初鰹
  1〜3 松尾芭蕉
      閑かさや岩に染み入る蝉の声
      閑かさや
   −1 岩に染み入る
   −2 蝉の声
  1〜3 小林一茶 
      雪とけて村いっぱいの子どもかな
    1 雪とけて
   +2 村いっぱいの
   +3 子どもかな

  どれがいいともいえない。いろいろ試みるとよいだろう。



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 ◆論語の群読◆
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 全員 論語 第一編より

 全員 子曰く、
  1 学びて時にこれを習う、
 全員 亦(また)説(よろこ)ばしからずや。
  2 朋あり、遠方より来たる、
 全員 亦楽しからずや。
  3 人知らずして慍(うら)みず、
 全員 亦君子ならずや。


1〜3 The Master said,
  1 "Is it not pleasant to learn with a constant perseverance and
    application?
  2 "Is it not delightful to have friends coming from distant   
    quarters?
  3 "Is he not a man of complete virtue, who feels no discomposure
   though men may take no note of him?"

  12 先生がいわれた。
   1 学んでは適当な時期におさらいをする、いかにも心嬉しいことだね。
   2 そのたびに理解が深まって向上していくのだから。
   1 親しい友だちが遠い所からも尋ねて来る、いかにも楽しいことだね。
   2 同じ道について語り合えるから。
   1 人が自分を理解してくれなくても気にかけない、いかにも君主だね。
   2 凡人にはできないことだから。

 全員 論語 第二編より

1〜6 子曰く、
  1 吾れ十有五にして学に志す。
 +2 三十にして立つ。
 +3 四十にして惑わず。
 +4 五十にして天命を知る。
 +5 六十にして耳順(した)がう。
 +6 七十にして心の欲するところに従って
1〜6 心の欲するところに従って、矩(のり)を踰(こ)えず。 


1〜6 The Master said,
  1 "At fifteen, I had my mind bent on learning.
 +2 "At thirty, I stood firm.
 +3 "At forty, I had no doubts.
 +4 "At fifty, I knew the decrees of Heaven.
 +5 "At sixty, my ear was an obedient organ for the reception of
    truth.
 +6 "At seventy, I could follow what my heart desired, without  
    transgressing what was right."

1〜6 先生がいわれた。
  1 私は十五歳で学問に志し、
  2 三十になって独立した立場を持ち、
  3 四十になってあれこれと迷わず、
  4 五十になって天命をわきまえ、
  5 六十になって人のことばがすなおに聞かれ、
  6 七十になると、思うままにふるまってそれで道をはずれないようにな
    った。

 *読み下し・英訳・口語文体の3ジャンルで群読した例。中学校用。英語を抜けば
  小学校でも使える。
 竹取物語・枕草子などの一文を群読としてとりあげるとよいだろう。

<原文>
 子曰、學而時習之、不亦説乎、有朋自遠方来、不亦楽乎、人不知而不慍、不亦君子乎
 子曰、吾十有五而志乎學、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、
    七十而從心所欲、不踰矩、

 <参考文献>
 和訳は http://www.asahi-net.or.jp/~pd9t-ktym/kanmei.html
 英訳は http://www.nakamura-u.ac.jp/~library/e-lib/ron/